ずっと話題になってた、島本理生さんのファーストラヴを読みました。
あっという間に読み切ってしまった…
本当に読みやすい文章だったので、とても島本先生の文章が好きになりました。
内容は多少のネタバレを含んでしまいますが、ご了承いただければと思います。
基本的に、とある父親殺しの娘の殺人の理由を臨床心理士の女性が探っていく、法廷サスペンスというより心理サスペンス的なところはあるという話です。
大筋はそんな話なのですが、女性からの視点でみる心の闇を見事に表現しているという印象でした。
父親殺しの娘の犯人は、わかりやすい虐待を受けていません。
暴力を振るわれていたり、いわゆるレイプされていたりという、わかりやすい虐待を受けてはいないけれど、両親からの子供が当たり前にうけれる「愛情」を受けていない、そして女というものを自覚する前に性的虐待を知らずに受けている、というのがとても身近なものに感じるという点でした。
わたしも経験あるんですけれど、過去に軽い性的に嫌な事があるのをその時理解していなくて、大人になって初めてそれが解ってとても嫌な気持ちになるっていう事があるんですよね。
多分、これを読んだ女性のほぼ全員が、この父親殺しの娘の心情を理解できるんです。
この場合は、体のラインがわかりやすい薄着で男性の視線(もちろん真面目な視線や下心こみの視線)を受ける、また全裸のヌードモデルの男性と背中あわせで並んで視線を受けるというパターンなのですが、大人にとっては大した事じゃないだろうと思っても確実に少女にとっては傷になる事なる、というところを的確に表現していました。
別にフェミニストでもそんなものでもないんだけれど、本当にこの気持ちはよく理解できた。
そして両親に愛されていない自分が全て悪いから、ほかの人から愛情を受けたくて媚びてしまう、望んでないのに体の関係をもってしまう…好かれたくて言いなりになってしまう…など。
とても、過去の各個人の闇を引きずり出してしまう作品だな、と思いました。
来年には映画化されるという事でいまからとても楽しみにしています。
※ちょっと主演が北川景子さんで若すぎる気もしますが
近々映画化される同じ著書のRedも映画ともども原作も気になるので、読んでみようと思います。
好きな作家が増えて嬉しいですw
給料日きたので本を買いたいけど、家に本棚つくらなければ…
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